初めて投資する人に読んでほしい四季報のメリット・デメリット

 

四季報って知ってますか?知らない人は本屋さんに行った時に、経済・ビジネスエリアの本棚に行ってちらっと見てみてください。多分「うわぁ、分厚いなぁ」と思うでしょう。私も最初はそう思いました。

 

次に中身を見てみましょう。多分「うわぁ、字がちっちゃいなぁ」と思うでしょう。私もそう思いました。

 

しかし、その手にある分厚い本にはあなたにとって未知の可能性がいっぱいあります。

 

今回の記事ではそんな初めて投資をする人に「四季報を見てみようかな!」と思ってもらえるような内容にしてみました。 

 

↓こちらの記事では各号の特徴も詳しく解説してあるので、是非見てみてください。

会社四季報とは?

会社四季報とは、東洋経済新報社が年に4回出版している情報誌です。株式投資をする人にとってはバイブル的な本で、企業の最新の情報が細かく載っています。

 

例えばあなたがある会社の銘柄の情報を得ようとするとどんなことをしないといけないのかというと、

  • 会社のIR報告書を手に入れる
  • PL・BS表を自分で作成
  • 過去数年分のデータをまとめる
  • ホームページを確認して、事業内容を確認
  • どうしても知りたいことは問い合わせて確認

簡単に挙げただけでも以上のことをしなければ投資は出来ず、チャートの形だけでやるというのであれば、それはテクニカル分析であり投機的な色合いが濃くなって投資とは言えなくなってしまいます。

 

しかし、四季報では上で言ったこと以上のことを全銘柄に対して行って、年に4回情報を発信してくれています。しかも2〜3000円程度で入手が可能です。調べるのにかかる時間とお金と労力に対してのコスパを考えると、圧倒的な情報量ですね。

 

会社四季報のいいところ

特に私が四季報を買うことで「買ってよかったな」と思うことについて書いておきたいなと思います。

いいところ① 企業の最新情報が載っている

やはり企業の最新情報が載っていることがメリットの一つです。一個人であれば時間・お金・コネクションどの面からも手に入れられるのが難しい情報が満載です。

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会社ごとに四季報担当者がいて、その会社が「何をしようとしていて」「何を決定して」「何が起きていているのか」を詳しくヒアリングしてくれています。そして、その担当者が「この会社の今後はどうなるだろうか」という予想も立ててくれています。

 

いいところ② 四季報の独自予想が載っている

いいところ①で軽く触れましたが、四季報では会社への取材を通して得た最新情報を元に「四季報の独自予想」という視点をとても大事にしていて、一番の売り要素となります。

 

会社の業績発表や最新の動向を元に四季報担当者がその会社の今後を予想してくれています。予想の内容としては

  • 今期の業績(売り上げや純利益など)の予想
  • 来期の業績の予想
  • 経済指標(PER・PBR・ROEなど)の予想
  • 全体経済の動向予想

などの予想を立ててくれています。

 

また【見出し】という形でその会社の動向を端的に示してくれていて、プラス表現では「連続最高益」「最高益」「独自増額」「続伸」「上振れ」などの見出しが出てきます。この見出しだけでも十分有益な情報です。

 

確かに四季報担当者とはいえ人なので「完璧に正しい判断」というのはムリでしょう。でも少なからず自分で実際に調べて判断するよりも精度が高いです。

 

後にも言いますが、四季報の予想が強気の会社の株価が実績として上がっているという事実もあるので、「精度が高いな〜」と感じてます。

 

さらに「疑義注記」「上場廃止基準」などの言葉を使って、潰れそうな会社を教えてもくれるので、「株が全部0円に・・・」という心配もほとんどなくなります。

いいところ③ 財務・業績関連数値が載っている

四季報の企業情報の左下あたりに過去の業績欄などが載っています。

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なぜ業績関連の数値が大事かというとを説明するには「投資とは何か?」という話が大事になります。

 

「ビジネスに対して資金を投入しレバレッジをかけることで利益を最大化させ、その出た利益を分配してもらう」というのが投資の根本です。なので、そのビジネスが根本的に「うまくいくビジネスなのか」「うまく機能しているビジネスなのか」ということを判断して資金を入れるのが正しい投資家の姿です。

 

「うまくいくビジネスか」というのはベンチャーのように新規事業に投資を募る形を取ります。株式で言うところのIPO株式です。

 

「うまく機能しているビジネスなのか」というのは既存の会社に投資をする形をとります。一般的な株式投資のことです。

 

「うまく機能しているビジネスなのかどうか」は業績関係の数値を追うことで判断することができます。

 

四季報ではそれらの業績関係のデータを数年分載せてくれているので、見ただけで「この会社はうまく機能している健全な会社だな」と判断することができるようになります。

 

初めて投資をする人にとっては訳のわからない単語ばかりですが、四季報の業績数値は見逃すことができない部分です。 

いいところ④ ニコちゃんマーク

四季報を買うメリットとして「ニコちゃんマーク」は外せません。プロの投資家もこのマークをまず確認するために四季報をめくります。

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会社は期初(1年間の始まり)に「この1年間ではこのくらい稼ぐ予定ですよ〜」という業績予想を発表します。そして四季報はその会社の【クセを把握して】独自の予想を立ててくれています。

 

この時に、四季報の予想が会社の予想よりも強気な場合に、その会社にニコちゃんマークをつけてくれます。

 

つまり、四季報としては「この会社は自分のこと低く見積もってるけど、本当はこのくらい稼げるはずだから要チェックだよ〜」と教えてくれているのです。

 

しかも、このニコちゃんマークは四季報にしか記載がされないので、本を買うしかないのです。

いいところ⑤ 年に4回も情報更新される

四季報は6月中旬、9月中旬、12月中旬、3月中旬と年に4回発売されます。これだけの情報量を3ヶ月ごとに更新し続けて発売してくれているというのは、よくよく考えるとすさまじいことですよね笑

 

またこの発売のタイミングというのが絶妙で、会社の四半期決算のタイミングに合わせて発売してくれています。

 

四半期決算と四季報の発売の関係については・・・・・・・・・をご覧ください。

 

会社四季報の面倒なところ

では逆に「四季報ってここが面倒だな」と感じる点をお伝えします。

面倒なところ① 若干場所をとる

これって株で稼ぐという点においては全く関係ないんですが、やはり紙媒体なので情報量に応じて本が厚くなってしまうのはどうしようもない点でもあります。

 

持ち運びに関してもカバンにはらくらく入る大きさですが、邪魔じゃないかと言われると微妙ですね。(情報量に対しては妥当だと私は思っていますけどね!)

 

「四季報オンラインで全部見れるぜ?」という意見も聞きますが、私としてはやはりアナログでめくっていくというのが好きです。

 

こればかりは好き嫌いだとは思いますが、面倒な面の一つですね。

面倒なところ② スクリーニングができない

紙媒体なのでスクリーニングができない点も面倒だなと感じます。私の投資手法としてより割安な銘柄をいち早くキャッチすることが大事なので、スクリーニングができないというのは致命的です。

 

四季報を端から端まで目を通して、エクセルに打ち込んでスクリーニングをしていますが、確実に10時間以上はかかります。

 

それの唯一という欠点を補ってくれているのが「四季報CD-ROM」ですが、ここでは詳しいことは割愛します。知りたい方は・・・・・・・・・をごらんください。

面倒なところ③ 読めるようになるまで学習・研究が必要

これは初心者の人には特に知っておいていただきたいのですが、「四季報を事前学習なしに読むことはほぼ不可能」だと思っていてください。

 

例えば「会社が借金体質かどうかどこで判断しますか?そしてその理由を説明できますか?」と聞かれた時に四季報を片手に説明できないと思います。

 

他にも

  • 会社の経営スタイルを読み解く
  • どの分野での稼ぎが多い会社か?
  • 海外資本が入っているのかどうか

などは四季報から読み解くことができるのです。

 

これを聞いて「うわぁ〜数字苦手だから無理だな」と考えるのはまだ早いです。実は「どこの数字を見て」「どの傾向かを判断する」だけで読み解くのはとても簡単なんです。

 

ただ必要な時間・労力・お金を必要なところにかけてない人が多いです。しっかり数時間程度の時間をかければ読めるようになるのに「面倒だから」と時間をかけずにスマホゲームをしていたりします。

 

話が逸れましたが、訳も分からず「知っているから投資しよ〜」の初心者から、「こういう理由からこれに投資しよう」と考えられる初心者になって欲しいと思います。